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第6話 「そして1ヶ月後」 |
季節はもう、寒くなってきてました。 投稿後、僕は何をやってたかというと、あいかわらずゲーセン、FM-7では制作時なかなかできなかったゲームを遊び溜めするかのように遊びまくりました。家からあまり出ないという点ではプログラミング時と変わらずです。 アドベンチャーでは、デゼニランド、ザース、RPGはブラオニ、ワイアード2、サイキックシティ、 ときおり友人宅へ遊びに行ったときにはドアドアmk2(PC-6001mk2)やテグザー、エプシロン3(PC-8801mk2SR)とかを、ここでもゲーム三昧でした。 あきたらプラモデルに没頭してました。バイファムやエルガイムの1/144モデルなどなど。 ところで、ライバルMametaroはその間自身のRPGに何をしていたのか。 彼は、ラスボスをとんでもないものにかえようとしたり、技術の取り入れすぎでメモリ不足に苦しんだり(プログラマーがOut of Memoryをみないなんて日はない これは僕も経験スミ)で、いまだ完成まで至ってなかったりしたのであります。 だが技術は あいかわらずすさまじいもので、町の風景に昼と夜という要素を加え、昼は太陽がみえ、その位置で方角も知る、とか、夜になると閉店するショップがあったり逆に酒場が開いたりという、「時間」をフィーチャーしてたり、クオリティはまちがいなく、彼のRPGの方が上だわ。 つくづく、彼と鉢合わせ投稿にならなくてよかった、と、思ってました。 結局ヤツのゲームは高校卒業後も完成することはなく、社会人になり県外就職、そこでようやく完成させるはこびとなります。(後述します) |
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だが、僕も「グレアリングカース」には自信はあった。 完成したとき、郵便局に郵送手続きをしたとき、 手応えのようなものを感じ取っていた。ふつふつと、ではなく、確実な手応えを。 だから、今日はどうだった、今日はどうだった、と、毎日入賞連絡があるかどうかを家族に聞くのがすごい待ち遠しく、帰宅するのも待ち遠しかった。 運命の日は突然やってきます。 いつも通り下校・帰宅すると、かすさず妹が「Mizunoさんという方から電話があった」 と、帰宅後の僕に伝言してきました。 誰、それ。 |
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僕はクラスメイトにも知人にも、Mizunoという名の人はいません。当時は池田高校の水野雄仁選手が時の人となっていたが僕がそんな人と接点があるわけがないし。 もしや! 速攻で、ログインの編集者のページを開けて、「Mizuno」という名の方がいるかどうか、探した。 い・いた! ・・・でもねー、Mizunoなんてどこにでも見かける名だし。 これが「Ijuuinn」とか「Ayanokouji」とかなら珍しいし決めてとなるんだけど。 妹は電話連絡先も聞いておらず(なにしろ当時中学1年だからそこまで気がまわるわけない)、こちらからのコンタクト手段がないので、向こうから電話が再度かかってくるのを待つのみ、となった。 果たしてこういうときって、かかってこなかったりするもんだ。 実は3-4日、かかってこなかった。 これがもし、ほんとにログインのコンテスト担当の人で、電話がつながらないからボツ扱いにされたりしたらどうしよう、そんな不安もありました。 でも今は、とにかく今は電話をまつしかない、 下校手段を電車からもっと早いバスに変え(発車時刻はこっちの方が早かった)、毎日16時半には帰宅して、待っていました。 そして、 「電話かかってたきたよ」 きた! 「私、月刊ログイン・ソフトウェアグランプリ担当のMizunoと申します」 キタ━━━━━━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━━━━━ !!!!! なんて顔文字は当時なかったけど、こんな感じだった。 内容は、「最終審査に残った」とのこと!! (ちょっと記憶が曖昧なってます) で、掘り下げて聞けば、最終審査に残ったというのは入賞・掲載間違いなしという意味。 で、これから順位を決めるという段階らしい。 ログインでは毎回3人入賞者が掲載されるから、僕はその3人のうちの一人として選考に残ったってわけか! 実はRPGの投稿で気になってたのが、「ちゃんとラストまでプレイしてくれるだろうか」だった。 とくにグレアリング・カースは、ラストあたりで物語としての盛り上がりが増す。そこまでみて、それで批評して欲しい。 そういう願いから、ラストの部分をみてもらえるよう、隠し命令もマニュアルに載せていた。 Mizunoさんは、ラストまでみてくれてた。そう、話してくれた。 ただでさえ東京から電話がくるなんてことがないのに、僕の心は踊りまくり、Mizunoさんにどうでもいいエピソード(前作ENEMIESをぶっとばしてしまったこと)なんかを浮き足だってしゃべりまくってしまった。 Mizunoさんも何人もそういう舞い上がった人をみてきたのだろう、ずっと聞いてくれてました。 で、何カ所かバグがあるので、修正してもういちど送ってほしいとのこと。あと、ある程度強くなったキャラデータを送って欲しいと。なるほど、掲載用なのですね。 締め切りは○○日までに(忘れた)と、わりと急ぎだったが、 ここまできたら、デバッグなんて何の苦痛にもならないわ。 送った後、数日経ちふたたびMizunoさんからTELあり。 「おめでとうございます。第2位入賞いたしました」 入賞きまったーーーーーーーーーーーーー! 生まれて17年。 こんなに喜んだ瞬間はなかったっす。 オトナなら今日はブレイコウじゃ〜!と朝まで飲み明かしていたことでしょう。 もうその日は眠れなくて眠れなくて! いつも見ていたアニメもそんなもんみなくったってかまうかーな状態で! グランプリ(第1位)じゃなかったけど、3作品のなかで一番デキがいいので、3作品の1番目掲載になります、とまでいってくれたので、満足デス!! よおし、明日はMametaroにすべて明かしてやろう!先にスターダムに出たことを知らせて、くやしがらせてやろう! <<前ページBACK 第7話をつづけてよむ>> |
第1話 みんなドラゴン! 第2話 テーマは「SF」 第3話 復元不可能 第4話 ライバル出現 第5話 「グレアリングカース」始動 第7話 掲載、テープログイン発売、賞金、印税 第8話 その後、そして今 資料集 return to HOME |
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