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第4話 「ライバル出現」 |
せっかく作り上げたオリジナルゲームプログラム。 自分のおマヌケなミスのせいでなくしてしまってから、数週間。 しばらくは、ゲームプログラムはおろか、FM-7の電源を入れることすらもせず、落ち込んだ日々がつづきました。 プラモデルつくったり、近くのゲーセンでゼビウスやマッピー、ASO、ドルアーガなんかをやったりして無機質に過ごしていました。 夏休みが終わり、2学期。 1ヶ月振りに会った、同じFM-7ユーザーのMametaro(仮名)が、突然ボクに「敵キャラを考えてくれ」と、依頼してきました。 Mametaroというヤツは、PC6001ユーザーだったボクにFM-7の存在を教えてくれ、FM-7にひろがるゲーム世界の広さを教えてくれた友人。彼とは同じ高校2年の春に彼をリーダーとする4人チームを編成し、同じFM-7にてアドベンチャーゲームをつくり、ポニカプログラムコンテストにてポニー賞・賞金30万をいただいた経験もある。ボクをFM-7の世界、ゲーム創作の世界へと導いてくれた上に、この賞金の分け前を使ってFM-7を手にすることができた。ある意味、恩師。 ところで、なにそれ・・敵キャラデザイン?? 彼はこういった。 「サブシステム操作とかマシン語の勉強をしてて、キャラ表示のプログラムなどができるようになった。これを使って、RPGを作ろうと思う。で、敵モンスターをデザインしてほしい」 手渡されたのは1本のカセットテープだった。 それは、すでに持っていたポニカ・パターンエディターのダビングテープ*1と、B面にはサンプルプログラムとしてMametaroが自作した3D-ダンジョンの描画&操作プログラムが入っていた。 |
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(写真はイメージです。実際に彼が作成したものとは異なります。ただし、引用したこの画像元の作成者は彼です。) これをみせられたときは、衝撃だった。 知らぬ間に、こんなスキルを身につけていて、知らぬ間にRPGをつくろうとしていたなんて。 しかもマシン語だから、速い。速すぎ。 ちきしょー、出し抜かれた!! ヤツもRPGを、しかもボクよりもクオリティの高いものを創っていただなんて。 |
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もともと嫉妬深くてマケズギライだったボクは、ここで一気に発火しました。 まるで 「僕が一番ガンダムをうまく使えるんだ」て独房でいってるアムロのごとく。 うちのクラスにはボクのほかに、FM-7ユーザーが1人、PC-8801mk2ユーザーが1人、PASOPIA7ユーザーが1人、日立S-1ユーザーが1人、PC-6001mk2ユーザーが1人いたが、誰一人としてマシン語、アセンブラを使いこなせる者はいなかったのだが。 ついに使える者が現れてしまった。 しかもRPGを開発するというではないか。 以前からメカには強いといわれていたMametaroだが、 これで技術面で彼に、かなり差を付けられた まだだ。まだおわらんよ。 だって、RPGをつくろうと決意したのは、ボクのほうが先だ。 ボクがいちばんRPGをうまくつくれるんだ。 もう、落ち込んでいたボクはいなくなっていました。 そこにはただ、純粋にRPGを作りたいという気持ちと、ヤツより先に、ヤツよりいいものを作り、ヤツより先に入賞したいという野心のみがありました。 彼の存在が、またボクに火をつけてくれた。また彼に感謝しなければならない要素をふやしてしまった。 ちなみに、敵キャラのデザイン、パターン作成はよろこんで引き受けました。 これはFM-7から遠ざかっていたボクにとって、いいリハビリになりました。 *1 テーププログラムはダビングすることであっさり複製できました。もちろん、ソフトウェアのコピーは禁止されていました。 <<前ページBACK 第5話をつづけてよむ>> |
第1話 みんなドラゴン! 第2話 テーマは「SF」 第3話 復元不可能 第5話 「グレアリング・カース」始動 第6話 そして1ヶ月後 第7話 掲載、テープログイン発売、賞金、印税 第8話 その後、そして今 資料集 return to HOME |
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